Poems in Code:ジェネラティブアートを巡る覚書
hasaquiによる文章
Poems in Code: Generative Art Today and Programming-Generated Moving Image を受けてのもの
https://www.dropbox.com/scl/fi/dprpt97mtks6m4m5ejegb/Poems-in-Code_0224_5.pdf?rlkey=n3sib7vwcp2dqq9dnl9tt7oue&e=1&dl=0
ドロップボックスなのがいつ消えるかわからなくて怖い
#美術批評
⾼尾俊介
メモ
ブルー・プラネット・スカイ
1 《タレルの部屋》は⾦沢21世紀美術館にあるジェームス・タレルの作品であり、天井部に四⾓い開⼝部を作り出すことで、⽇々変化する空の様⼦を「上映」している。
セオ・ヒョジョン
Processing の開発者ケイシー・リース
openFrameworks の開発者ザック・リーバーマン
アレクシー・アンドレ、ジョシュア・デイヴィス、Fingacode、
アリダ・サン、江原 彩⼦、mole^3(mole cubed)、eziraros、Yazid
NFTの興隆によるコードアートコミュニティの構築があると
LANDSCAPE CITY BUILDINGで自分が思っていたことと同じだ
⾼尾によれば「Poems in Code」は 2013 年にザック・リーバーマンが発信した"More poems, less demos"というメッセージが種となり、10 余年の時を経て花開いたものだと述べている
技術的なデモではなく、ポエムであるべきだ
G・ゼンパー派
ゴットフリート・ゼンパーかな?
装飾芸術をその「使⽤」や「材料」や「技術」といった唯物論的な史観から捉えようとした
対してアロイス・リーグル
装飾芸術を創造的な「芸術意志」(Kunstwollen 原義は「芸術を欲すること」)という観点から捉え直そうとした
テキスタイル部門ディレクターをやっていたらしい
テキスタイルは 織物や布地、糸などの総称で、アパレル関連の繊維を指す言葉
ジェネラティブアートはテキスタイル的な装飾性がある。
キミ( ).コード( ).セカイ( )でも同じような指摘があったな
図と地が反転するような相互の「借景」が成⽴する。
同じようなことを思いました。何故か借景って言葉が出て来こなかったけど……uesən.icon
村上隆 もののけ 京都の感想では借景について話している
ヴィルヘルム・ヴォリンガー
アロイス・リーグルの影響を受けている
論文『抽象と感情移⼊』
自然を模した「抽象」
幾何学的な「抽象」
普遍的な形態や構造に焦点を当てる内省的な傾向を持つ
逃避や精神的安定のため
特に 2022-2023 年においては絵画的な絵筆の質感や、紙のような背景⾊の質感を模倣
わかる。というか最新の傾向だったんだな。uesən.icon
自分でいうとSEKKEIZUとか
ここでは「Poems in Code」はそれとは逆を行く物が多かった
これはジェネラティブアートが持つ特色を活かしていてとても良かったと思うuesən.icon
文章上もそういう感じ
「NFT となる絵画的なジェネラティブアート作品の出⼒は、その多くが静⽌画であり、それらを映像作品とするのは具体的な困難が伴うからである。」
なるほど。乗り越えられる困難ではあると思うが、乗り越える必要のないものではある
ジョシュア・デイヴィスは、2023 年 12 ⽉に X での投稿で、「私はペイントやペンシル、⽔彩などアナログを模倣するジェネラティブアートを好まない」とし、ツールはそのメディウムを受け⼊れるべきであり、他のツールの模倣をすべきではないという趣旨の投稿をしている。
ふむ。理解はできる。
他の作品と違い、15分まるまる一つの作品に使ったらしい
ブルネイ出⾝のアーティスト Yazid の作品《Homage to Broodthaers》(2024 年)
マルセル・ブロータスへのオマージュ
ベルギーの詩⼈で映像作家
デジタルとアナログの中間に位置する中性的な表現
中性的な表現っていいですねuesən.icon
アレクシー・アンドレ
「ソニービジョン渋⾕」において上映される、ジェネラティブアート時計の作成
《720 Minutes》
ジェネラティブアートのソル・ルウィットの《Wall Drawing》との類似性
コードによるアルゴリズミックな造形は、例えば「円が n 回 x,y ⽅向に動く」というレベルの意味で、純粋なコンセプトに基づくアートであると⾔える これが似ている
確かに現代アートのように制作意図という意味でのコンセプトや、政治性、批評性をジェネラティブアートの作品に含み持たせることは例外的かもしれない
しかし、eziraros の作品が実例を提⽰している。後述
ケイシー・リースの《There's No Distance》
オートポイエーシスの像
「Poems in Code」はしばし SNS 上で「焚き⽕」のメタファーで語られるのを⽬にした。
まさに焚き火の鑑賞体験に近い
消えない焚き火はジェネラティブアートが永続的で有機的なイメージを⽣成することができることを⽰すことにもなる。
これは常々思っている。uesən
公共性
思考実験:どのように展⽰をすればジェネラティブアートは⾃律的な作品として成⽴しうるのか。(今回の方式以外で)
リアルタイムのコード実⾏
⼀つのディスプレイで⼀つの作品が上映される状態
自立している感が増す
ディスプレイサイズ
アスペクト比
結局正方形か
映像のほうが取り回しはいいか
次第に RTB (Real Time Bidding)や、環境条件をトリガーとするタイミングスペシフィックな⽅向へと向かっているため、そのようなケースで、コード実⾏のジェネラティブアートの実装が求められる場⾯があるかもしれない。
参考文献
アロイス・リーグル、⻑広敏雄訳『美術様式論 新版: 装飾史の基本問題』、岩崎美術社、1970 年
ヴォリンゲル、草薙正夫訳『抽象と感情移⼊: 東洋芸術と⻄洋芸術』、岩波書店、1953 年
永松歩「⽣成的図像における主題性,批評性」、IAMAS 修⼠論⽂、2017 年
https://ayumu-nagamatsu.com/wp-content/uploads/2018/04/thesis_generative-art.pdf
ボリス・グロイス、⽯⽥圭⼦、齋⽊克裕他訳『アート・パワー』、現代企画室、2017年